登山の原点「自分のために登る」
日本では「山」を舞台としたアクティビティ全てを「山登り」「登山」と一言で括っている。
しかし欧米諸国では環境、地形の険しさ、要求される技術によって分類されていることをご存知だろうか?
まずは環境。これは文明圏つまり生活圏からの隔たりがどのくらいであるか、次に地形の険しさ。整備された道(=トレイル)があるかどうか、そして険しい岩場や雪渓があるかどうか。最後に技術。これは地形の険しさに依る。
険しい岩場があればロッククライミングの心得が必要だし、急な雪渓があれば確実な雪上歩行が求められる。ゲームの名称や分類は国によって若干の違いがあるが、登山用具を作っているメーカーなどの分類を参考にすると概ね以下の表のようになる。
日本における登山はゲームのカテゴリーが理解されないまま、あやふやな行為として行われてきた。
百名山ブームに象徴されるように山頂だけを収集し、数を集めることが目的として定着してしまったことがその要因のひとつとして挙げられる。
百名山は標高も様々で、実際には個々の山は異なるカテゴリーに属する。「山頂を持つ」ことだけ共通だが、ゲームのカテゴリーは違う。それをひとつの土俵にあげて並べたために登山者は何を備え、どう取り組めばいいのかがわからなくなったと言える。そもそもひとつひとつのピークはそれだけで価値のあるものなのだが、100揃えないといけないということに違和感を覚える人が少なく、みんながピークの蒐集家になってしまったことはとても残念な現象だ。
そろそろ登山の原点つまり「自分のための登山」を目指す人たちが出てきてもいい頃だと思いたい。
Sherpa編集部
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