日光白根山へ登山。ネット情報を鵜呑みにしトラブル勃発
- 詳細情報
- 登山時期:2013年8月
- 登山場所:日光白根山
- ルート:菅沼登山口~阿弥陀池~日光白根山~前白根山~五色山~金精山~菅沼登山口
- 天気:晴れ
- カテゴリ:道迷い 脱水症状
登山を始めた頃でした。この頃からスマホによるGPS支援が有効になってきて、手軽に行けるようになったと勘違いしていた時期と思います。
一度訪れた日光白根山、五色沼から見た稜線を歩きたいなと地図を見てみると、菅沼登山口からループできるルートが見えます。これ行ってみよう。ヤマレコなどネット調べ、GPSデータもダウンロード。これで計画は終わり。写真もたくさんあり、やる気に満ち溢れていました。
そう、トラブルは何も起きない、体力もたっぷりという仮定での計画です。
やはりそこには実際行ってみないとわからないことがたくさん存在しました。
日光白根山、前白根山までは順調でした。しかし・・・
トラブル1:水不足
日光とはいえ、真夏です。ペットボトル500ml1本とハイドレーション2L。ペットボトルは食事で使いました。残量のわからないハイドレーション、暑いから飲む、また飲む。その結果、五色山を越えた当たりで切れました。残りコースタイムで2時間弱。エスケープすることもできず、そのまま計画通りに。非常食のゼリーを飲むが粘つくだけ。水の量を完全に間違えました。
トラブル2:スマホGPS
山と高原地図では一本道に見えそうな枝道もあり、わからなくなるところが何カ所か。スマホGPSはある程度歩かないとどの方向に進んでいるかわからない。コンパスを持ってこなかったのが痛かった。
トラブル3:膝の故障
膝の外側に激痛。下る際、意識していないと同じ片方の足で下る癖がないだろうか。初心者の私はこれをやってしまい左膝をやってしまった。ストックを杖代わりに進む羽目に。横を向いて降りるという方法を知らなかった。
トラブル4:写真ではわからない危険箇所の危険度
金精山を金精峠に降りるところはかなり崩れていて、危険箇所とは知っていた。ネットで上がっていた写真も下から見上げたもの。実際はここを下ることになった。どこをどう降りればいいか全くわからない。膝の故障、そしてソロなため相談もできない。たまたま団体さんが来てその方たちに付いていくことによりクリアできた。もし誰も来なかったらと思うとぞっとする。
水がなくなってから2時間弱と読んだが、実際は2倍の4時間弱かけてのふらふらの下山となった。
ネットの情報は有益だが、それがすべてではない。地図とコンパスの重要性を知ることとなり、水不足の恐怖から過剰に水分を持つ傾向にあります。山はそんなに甘くない。今はかなり臆病な山行をやっています。
ガイドアドバイス
登山はプラン作りが大切だということは、怖い思いをされたことでご自身が一番身にしみていると思います。プランを作るための要素、要素と言ってもいいし、パーツとかそんなイメージでいいと思いますが、これは次のように分類できます。
1)目指す山のエリア
2)目指すルートの状況
3)そこを登る自分の体力と技術
4)自分のウエアと装備
5)行動食と水分
登山する前にこれらの要素をメモに書き出して、シミュレーションしてみるとよいと思います。
シミュレーションは他の人の経験のコピペではなく、客観的な情報で行いましょう。投稿サイトのネタ(敢えてネタと呼びますが)は、談話であって、情報と呼ぶには主観が入りすぎていることと信憑性と信頼性に欠けるものです。ですから、地図は国土地理院の地形図を使い、地形図の上を歩くようにシミュレーションしてみるのです。そして行動時間やコースの様子(傾斜がきついとか狭い稜線があるとかの険しい箇所も見落とさないように)をじっくりと読み取ります。装備や技術もこの過程で予測できるでしょう。もしコースの状況や装備、技術がピンとこないようでしたら、そのコースに挑戦するのはまだ早いと判断していいと思います。そして、このシミュレーションの記録をまとめたものが「プラン(登山計画)」になります。