誰もがなりうる高山病。十分な対策を取りましょう
高山病。登山が好きな方、登山をまだやったことのない人、誰もが一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。ここでは高山病について、知識と対策をお話していきたいと思います。
そもそも高山病ってなに?
高山病とは山登りの最中に頭痛、めまい、吐き気などを感じ、体のだるさ、足が重いなどの症状全般を指す総称となります。軽いものから重度なものまでさまざまな症状が現れ、最悪の場合死に至ることもあるので気をつけなければなりません。
日本では大丈夫だと思うかもしれませんが、昭和51年に富士山頂で二人の方が亡くなられた事例があります。低山でもかかる可能性はゼロではなく、1700メートル付近で高山病になった方もいらっしゃいます。低山だからと甘く見積もらず、体の状態を常にベストに保つ意識をしておくことが大切です。
どうして高山病になるの?
高山病になる明確な答えは未だ解明されていません。標高差に順応できる体質は十人十色なので、こうしたら高山病になると言い切ることが出来ないのです。
仮説として、低酸素、低気圧の影響から酸素を十分に取り込めず、自律神経を正常に機能させることができなくなり、水分の一部が不適切に一ヶ所へ偏ってしまうのことで起きるのではないかといわれています。高山病で死に至る場合、脳と肺に水が溜まります。これは脳浮腫と肺水腫と呼ばれます。
登ってみないと分からないというのが曖昧なところですが、自分の体がどれだけ高所に順応できるのかは、実際に高所へ行ってみないと分かりません。
症状は体調によって左右されます。風邪、過労、寝不足の場合、高山病にかかりやすくなるので無理のない計画を立てることが大切です。
もしなってしまったらどうすればいいの?
食欲が出なかったり、口の渇きを異常に感じる、ひどい倦怠感などを発症した場合、まず酸素を脳まで届けなければなりません。大きく息を吸い、体の隅々まで酸素を行き渡らせるように深呼吸しましょう。ここで大切なのは、ただ吸うだけではなく、手と足の先まで酸素が循環しているイメージを持ってください。イメージはとても大事です。体調が悪化した場合、深呼吸をしても肩と胸で呼吸をしてしまうので、あまり酸素が取り込まれません。手と足の先に酸素を送るイメージを持てば、自然と腹式呼吸になります。呼吸を整え、水分を十分に摂り、体を冷やさないようにします。その場で停滞し、体調が回復しない場合は悪化の糸をたどるだけになりますので、すみやかに下山を選択しましょう。挑戦と無謀は違います。まだまだいける!と気力でカバーしようとするのは非常に危険です。下山し、計画を練り直し、トレーニングをし(エスカレーター、エレベーターを使わないなども立派なトレーニングです)、その上でもう一度リベンジしましょう。
今回のポイント
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高山病はめまい、吐き気、頭痛などを引き起こし、最悪の場合死に至る場合もある
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高山病は低酸素、低気圧が原因で起こる。無理のない計画を立てる
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高山病になってしまったら停滞し、深呼吸、水分摂取、身体の保温を心がけ、症状がひどければすみやかに下山する
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