山の知識を増やして遭難防止に役立てよう!
今回は、「山の気温」「道迷いの対応」「雷の対応」に関わる3問を紹介 。
わかるかな?できるかな?
Q. 高度が上がるに従って大気の気温が下がっていく割合を気温減率というが、高度100mに対する気温低下の割合として正しい数値を次の中から選びなさい。
- 1. 約0.6℃
- 2. 約1.2℃
- 3. 約6.0℃
- 4. 約12℃
【正解】1.約0.6℃
【解説】地表に近い対流圏では、太陽放射によってまず地表が暖められ、暖まった地表から熱が宇宙へと逃げていく過程の中で大気を下から暖めていく。これにより地表に近い方が気温は高くなる。高度に対する気温低下の割合は、日本付近では平均して0.5~0.6(℃/100m)であり、世界的には0.65℃(℃/100m)が平均的な気温減率となる。
Q. 登山道を歩いていて、自分では正しいルートをたどっているつもりだったが、なんとなく様子がおかしいことに気がついた。このとき取ってはいけない行動を次のなかから選びなさい。
- 1. 確実に迷ったわけではないので、もうちょっと様子を見るため先に進む。
- 2. 「変だな」と思った時点ですぐにたどってきた道を引き返す。
- 3. その場で地図やGPSで現在地を確認してみる。
- 4. 小休止して水分を補給したり行動食を食べたりする
【正解】1.確実に迷ったわけではないので、もうちょっと様子を見るため先に進む。
【解説】「なにかおかしい。変だ」と感じながらも引き返せず、「もうちょっと行ってみよう」と先へ進んでいき、やがて進退窮まってしまうというのが道迷い遭難の典型的なパターン。こうしたケースでは「正しいルートであってほしい」という心理的なバイアスもかかるため、なおさら引き返せなくなってしまう。しかし、山で道に迷わないようにするためには、現在地を確認しながら行動し、「おかしい」と思ったらその時点で引き返すのが鉄則。引き返していけば、いずれ正しいルートに行き当たる。また、心を落ち着かせて冷静な判断を下せるようにするため、休憩をとって地図を見たり行動食を食べたりするのも効果的だ。
Q.次の文章は、落雷を避けるための対策について述べたものである。次の1~4のうち正しいものをひとつ選びなさい。
- 1. 雷は高いものや尖ったものに落ちやすいので、大木があるときは、そのそばに避難するのが良い。
- 2. 登山前日に見た翌日の予想天気図で、日本海から前線が南下してくることが予想されていたので、稜線を縦走する計画を変更した。
- 3. 沢沿いのコースを歩いているときに、上流の方に黒い雲がかかっているのが見えたが、自分たちのいる場所では雨は降っていないので、特に対策は取らなかった。
- 4. 積乱雲は必ず、上空の風に流されて進むので、風下側で積乱雲が発達しても、気に留める必要はない。
【正解】2.登山前日に見た翌日の予想天気図で、日本海から前線が南下してくることが予想されていたので、稜線を縦走する計画を変更した。
【解説】落雷や沢の増水、土砂崩落などによる遭難事故は、日本海から前線が南下するときや、上層に寒気を伴った低気圧が接近するときに発生する。登山前に予想天気図を良く確認することが重要である
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