山の知識を増やして遭難防止に役立てよう!
今回は、「登山用品の使用方法」や「道迷い」に関わる3問を紹介。わかるかな?できるかな?
Q.登山用ガスバーナーの取り扱いに関する次の記述のうち、誤ったものを選びなさい。
- 1.自動着火式のバーナーでも、必ずライターやマッチを持参する。
- 2.倒れない安定した場所を選び、ベニヤ板等の平らな上で使う。
- 3.早く調理したい時は一つのコッヘルに2台のバーナーを並べる。
- 4.ガスカートリッジの交換は、周りに火の気のないことや器具栓が閉じているか確認する。
【正解】3.早く調理したい時は一つのコッヘルに2台のバーナーを並べる。
【解説】2台以上のガスバーナーを並べての使用はガスカートリッジを加熱させ、爆発の危険があり非常に危険である。また、キャンプで使用する鉄板のようにバーナーを覆うような大きな調理器具や焼網なども使用も輻射熱でカートリッジが加熱するおそれがあるため絶対に行ってはならない。 自動着火式バーナーの圧電点火装置は高所や低温では機能しにくいこと、故障も考えられるのでマッチやガスライターを持って行くのは基本である。また、カートリッジ交換時に傾けて着脱すると液体のガスが出て危険である。なお、ガスライターは電子式ではなくフリント式(着火石)を選ぶ。
Q.最近、登山中に経年劣化が原因で靴の底が剥がれるというトラブルに遭うケースが増えてきている。 これを防ぐには日頃から正しい手入れをすることが必要であるが、その方法について、 誤っている記述を選びなさい。
- 1.汚れを落としたら、直射日光を避けて、風通しの良い場所で乾燥させる。
- 2.煩雑に使用すると寿命が縮まるので、登山以外にはなるべく使用しない。
- 3.中敷き・靴紐を外し、靴箱に入れずに風通しの良い、日が当たらない場所で保管する。
- 4.撥水処理を行う時は、汚れを取り除き、完全に乾燥した状態で行う。
【正解】2.煩雑に使用すると寿命が縮まるので、登山以外にはなるべく使用しない。
【解説】一部の登山靴、トレッキングブーツのミッドソールにはポリウレタン素材が使われているが、使用頻度にかかわらず劣化する素材で、一般的には製造から5年程度が寿命とされる。そのため寿命を少しでも延ばすためには、山から戻ったらすぐに汚れを落とし、適切な保管をすることが必要。山に登らなくても時折、登山靴を履いて散歩をしたり、ブラッシングをする等の手入れを欠かされないことが重要である。また、山に出かける前には、アッパー、ミッドソール、アウトソールを点検し、剥離やひび割れ、摩耗の兆候がないか確認する。
Q.登山道を歩いていて、自分では正しいルートをたどっているつもりだったが、なんとなく様子がおかしいことに気がついた。このとき取ってはいけない行動を次のなかから選びなさい。
- 1.確実に迷ったわけではないので、もうちょっと様子を見るため先に進む。
- 2.「変だな」と思った時点ですぐにたどってきた道を引き返す。
- 3.その場で地図やGPSで現在地を確認してみる。
- 4.小休止して水分を補給したり行動食を食べたりする。
【正解】1.確実に迷ったわけではないので、もうちょっと様子を見るため先に進む。
【解説】「なにかおかしい。変だ」と感じながらも引き返せず、「もうちょっと行ってみよう」と先へ進んでいき、やがて進退窮まってしまうというのが道迷い遭難の典型的なパターン。こうしたケースでは「正しいルートであってほしい」という心理的なバイアスもかかるため、なおさら引き返せなくなってしまう。しかし、山で道に迷わないようにするためには、現在地を確認しながら行動し、「おかしい」と思ったらその時点で引き返すのが鉄則。引き返していけば、いずれ正しいルートに行き当たる。また、心を落ち着かせて冷静な判断を下せるようにするため、休憩をとって地図を見たり行動食を食べたりするのも効果的だ。
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