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山岳ガイドへの相談

解決済み

冬山をやらなければハードシェルは不要ですか?

相談者 Mizuho Togari さん

冬季は登山をやらず、夏山限定で登山を楽しんでいます。
ハードシェルは私のような夏山限定した登山者には、不要な装備でしょうか?

・時期的には7-9月のみの登山
・低山中心 標高をあげても西穂独標、涸沢、伊吹山、栂池自然園、赤城山ぐらいになります。

ハードシェルという言葉は、ソフトシェルという製品がでてきたためにそれと区別する意味もあって使われるようになりました。
違いはシェルに使われる生地です。
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ハードシェル:ナイロンなどを使った織物に防水透湿素材をラミネート(またはコーティング)したもの
ソフトシェル:ニット(編み物)に防風透湿素材をラミネートしたもの
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シェルは殻という意味なので、レイヤリングの一番外側つまり「殻」として使います。
かつてはハードシェル(夏はレインウエア、冬は冬季用のジャケットとパンツ)しかありませんでした。
しかし、降雨時でなければ、ニット(編み物)に防風透湿素材をラミネートしたものでも有効であることから
そのような製品をシェルとして使うことが増えてきました。
従来のものとは違うためにこれを「ソフトシェル」と呼ぶようになりました。
そして従来のレインウエアのような織物に防水透湿素材をラミネート(またはコーティング)したものを
「ハードシェル」と呼んで区別しています。
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このように分類するとレインウエアもハードシェルのひとつであることがわかります。
詳しく言うとハードシェルの中の「レインウエア(またはレインギア)」というカテゴリーになります。
冬季用のハードシェルは寒冷地に対応させたレイヤリングのもっとも外側にくること、
また行動中ほぼ着用していることなどからパターンも細かく、動きやすいようにできています。
防風性も考慮してヘルメットをかぶった状態でフードが使用でき、フェイスガードの機能もあります。
パンツは雪がブーツに入ることを防ぐためにゲイターが付いているものもあります。
これに対して、レインウエアは好天時はバックパックに収納していて、雨が降ってきたら使うので
携行性も重要です。このため収納時はコンパクトになるようにパターンもそれほど複雑ではなく、
軽いものが多いと思います。

ずいぶんと前置きが長くなりましたが、
夏山登山ではレインウエアがハードシェルとしてレイヤリングの外側に使われます。
冬季用のシェルは夏山で使うことを想定していないので、冬季登山を始めるようになってから
購入を検討してください。

解決 相談者 Mizuho Togari さん

笹倉ガイド、迅速なご回答ありがとうございます。
製品が、その時々のパターンに合わせた仕様になっているとは全く知りませんでした。重さに素材と時々に適しているのですね。

自分の山のレベルに合わせた装備選びもなんだか楽しそう。
これを機会に製品の知見も広めたいと思います。今後とも宜しくお願い致しますm(._.)m

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