山岳ガイドへの相談
今期から冬山を始めました。
今まではスノーシューだけだったのですが12本爪アイゼンを使うようになってからものすごく足が重いというか歩くのに抵抗を感じるようになりました。
捻挫まではいかないのですが足を何回か挫いたりするようになりアイゼン歩行に苦手意識があります。
幸い爪をズボンに引っ掛ける事はないのですが少しでも楽に歩けるようになるコツなどありましたら教えて頂けないでしょうか?
よろしくお願いします。
スノーシューでは大丈夫だったのが、12本爪のアイゼンを履くと足関節に負担がかかる、ということでお困りのようですね。
10本/12本爪のアイゼン(チェーンアイゼンは除く)を履いて比較的平坦なルートを歩くと、一歩一歩足裏(靴裏)が斜面に平らに固定されます。いわゆる「フラットフッティング」と呼ばれる足運びです。
これに対し、通常の登山靴などでの歩行では、路面状況にもよりますが、着地の際に足裏は様々な方向に置かれ、そこから荷重が移動して地面から離れていきます。
通常歩行においては自分の足関節の可動域(関節が無理なく動く範囲)に応じた足の置き方、放し方で歩けますが、アイゼン歩行においては可動域に関係なく平らに足を置かされた結果、より強く曲げられたり、伸ばされたりします。おそらくこの違いにより、アイゼン歩行時に過度な屈曲や伸展を強いられる足関節に負担がかかり、それが蓄積してトラブルを生じているのではないかと考えます。
気にしている間は一歩一歩きちんと足を置けていることが多いですが、疲れてきたり、注意がおろそかになったりすると足の置き方がいい加減になり、捻挫や転倒、滑落といったリスクが高まりますので、実はとても大事な問題です。
対策として、いくつかの方法が挙げられます。
1.足関節を柔らかくするようなストレッチを日常的に行うこと。
2.上り下りにおいてはひたすらまっすぐ進むのではなく、斜めに登下降したりすることで足関節の負担を軽減すること。
3.爪をズボンに引っかけないあたり、上手に配慮して歩いてらっしゃると思いますので、この際ステップアップを兼ねてガイド登山や登山講習に参加して、アイゼン歩行を含む登山技術のチェックを行うこと。