会員メニュー

山岳ガイドへの相談

解決済み

難易度の高い山に登る時の注意点

相談者 map さん

登山初心者の者です。(乗鞍岳、美ヶ原を経験) 今度経験者と共に中央アルプスの空木岳(池山尾根コース、1泊2日)に登ります。登山経験に浅い中でコース途中で危険箇所などあり、若干不安です。

本来であれば徐々に難易度をあげて自分の体力、技術を客観的に把握できるようになってから望むべきだとは思いますが、今回のように自分の経験値より高い技術や体力が求められるような山に登る時にはどんな事に気を付ければ良いのでしょうか?

ご自身でも記載されているように登山はステップアップしていくものです。例えば、槍、穂高に登ろうとするならば、踏むべき段階があります。少しずつ実力をつけて挑む訳ですが、現在はネットで簡単に情報が入るので技術や体力、知識などが足りてなくても「自分も登れる」と錯覚してしまう傾向があるような気がします。

経験の山と空木岳を比べてみると‥‥。

●乗鞍岳(畳平から)
標高差約300m
コースタイム約3時間

●美ケ原()
標高差約90m
平坦なハイキング。

●空木岳
標高差、約1500m
コースタイム登り約6時間、下り約4時間

①乗鞍岳と比べ標高差が5倍。※過去の経験は登山というよりハイキング程度。
②宿泊を伴う山行。
という違いがあります。登り、下り共に今までに経験された事のない負担が身体にかかるでしょう。また、行動時間が増える為に所持する水分量も増えますし、宿泊の為の装備もある為に荷物が重くなります。それらを背負い乗鞍岳の5倍の標高差を登下降する訳です。身体だけでなく、精神面でも耐えられるのかという点も気にしなければなりません。

私から気にしなければいけない事として、挑戦には「冒険」と「無謀」があります。  

【冒険とは】
予想されるリスクを可能な限り軽減、その為の準備を整え挑戦することが冒険。

【無謀とは】
何も準備をせず勢いだけで向かっていくのが無謀。

ご自身のやろうとしている事、【未知の領域に挑戦】が冒険なのか無謀なのか。まずはそこを検討する必要があるのではないでしょうか。失敗を恐れていては何もできません。またリスクを恐れていても何もできません。もしかしたら全く問題なく、予定の山行が可能かもしれません。しかし、一度問題が起これば命に関わる問題が生じるのが登山というスポーツです。

小さなトライ&エラーを繰り返して知識や経験、体力と技術を身につけ、自身のレベルに見合う山、または経験者とワンステップ上の山にチャレンジしていただければと思います。




解決 相談者 map さん

丁寧かつ冷静的確なアドバイス有難うございました。山を楽しむ為にも挑戦か無謀か改めて考えたいと思います。ありがとうございました^^

シェア
Sherpaをフォローしよう!

みんなのQ&Aや登山に関する記事をお送りします