山岳ガイドへの相談
登山者同士は、すれ違いざまに挨拶すると遭難時などに役立つと、どこかの記事で見たことあるのですが。
実際のところ、どうなのでしょうか?
逆に、こんな時には声かけ無い方が良いなどもあるのでしょうか?
最初に結論から言うとやはり必要なのだと思います。
ただ、状況によって挨拶の重要度が大きく変わってきます。
「遭難時に役立つ」という点ですが、居合わせた登山者の目撃情報が遭難救助に役立つことを意味しています。
ただ、目撃情報といっても、挨拶程度では他の登山者の記憶に留まらないかもしれません。
また登山計画書を提出していても、実際にどの地点まで予定通り行動していたかが第三者に分からないことがあります。
目撃情報は救助・捜索時に大いに役立ちますので、リスクの多い雪山や沢登り、バリエーションルートに入る際や、携帯電波の届かない山域、人気の少ないエリアに入る場合は、居合わせた登山者と「どこから来て、どこに行く」程度の雑談を交わしておくのが理想的です。
それ以外でも、ご自身がこれから山に登ろうとしている場合、道ですれ違った登山者はその先のルートの状況を知っています。
「山の上の天気はどうだったか」「残雪状況は」「迷いやすい場所は」など、ご自身が知りたい情報を教えてくれるかもしれません。
逆にあなたが下山中であれば、これから登ってくる方に情報を提供することが出来ます。
このように居合わせたり、すれ違う登山者の方と積極的なコミュニケーションをとることで、登山の安全性を高めることが出来ます。
登山ではいつ、自分が「助ける側」になるか、「助けられる側」になる、分かりません。
見ず知らずの他人であっても、何かあれば「お互い様」です。
また、現地の最新情報や他の山のことなど、他の登山者から情報を得ることで、山の楽しみが広がります。
これらのコミュニケーションの最初の一歩が「挨拶」から始まります。
ですから、「おはようございます」「こんにちは」以外にも、「いい天気ですね」「花が綺麗ですね」でも何でもいいと思います。
逆に、声をかけない方が良い場合ですが、渋滞したり、混雑している山道で、一人ひとりに挨拶をする必要はないと思います。
人が大勢いるのであれば、目が合った方や、同じ場所で立ち止まった方に挨拶をするだけで十分です。
声に出さずに黙礼をするのも十分挨拶になります。
また、息苦しそうに登ってくる方や、足元に注意をしなければならない危険個所では、私はあえて声をかけないです。
そのような状況では、挨拶よりも一歩一歩歩くことに集中することの方が大事だと思うからです。
コミュニケーションの取り方に正解はないですし、その人なりの言葉かけがあっていいと思っています。
大切なのは状況に合わせて、他の登山者とコミュニケーションをとることだと思います。
ご丁寧にありがとうございました。
様々なシチュエーションを纏めてくださったお陰で、登山初心者の私でもイメージしながら読み進めることができました。
今後に活かしたいと思います。