山岳ガイドへの相談
家庭と山のバランスに悩んでいます。休みの日はできれば山に入りたいのですが、妻は山はやらないのであまり山に行き過ぎても色々と関係性に問題が生じます。
なるべく妻と良好な関係性を保ちつつ山に行きまくれるようにするにはどうしたら良いと思いますか?
登山とは直接関係のない質問かもしれませんが、きっと多くの登山愛好家が抱える悩みかと思われますので、何か良いアドバイスがあればお願いします。
登山野郎さん、お気持ちとてもよく解ります。
誰が最初に言ったのか分かりませんが、「山ヤの真の三大北壁は就職、結婚、出産だ」なんて名言(迷言?)もあります。
ライフステージが変わるにつれ、壁を乗り越えられず引退していく登山者が多い故に共感を生んだ言葉だと思います。
登山を長く続けるには正しい装備や山の知識、健康な身体はもちろん必要ですが、周囲の理解、特に奥様の理解がある事はとても大切です。
以下のような事を心がけてみては如何でしょうか。
・登山計画書を作り奥様に渡し、登山内容を説明する。プレゼンするぐらいのつもりで。
→家で帰りを待つ方は、私達が考える以上に、山でトラブルに遭ってないか心配なものです。計画書を作り、安全性を説明し、安心させる努力が必要です。
また自分がどれだけその山に行きたいか、その山行がどれだけ大切か(夏の目標の山に向けての重要なステップだ等)、熱意を伝える事も大切です。
・下山後の洗濯、片付けは全部自分で完璧にやる
→泥などが家の中に入らないように細心の注意を払いましょう。
・登山を続ける事で健康になった事をアピールする
→小さな事でも構いません。体脂肪率が改善した、夜更かししなくなった、飲酒やタバコの量が減った、外食や間食が減った、日常のトレーニングでバスやタクシーの利用が減った(家計にも優しいです)など。登山野郎さんの健康は奥様にとっても嬉しい筈です。
・奥様をボルダリングジムに誘う
→日焼けやトイレの問題や虫などで実際の山は苦手でも、ボルダリングジムならOKという女性も多いです。最近はスポーツジムのようなオシャレなジムも多いです。ボルダリングを切っ掛けに、山への理解が深まるかも知れません。
・二人で楽しめるハイブリッド山行を提案する
→山麓の食事が美味しい温泉旅館に二人で泊まり、翌日は登山野郎さんは山へ、奥様は近くのショッピングモールへ、等。ただし下山時間があまり遅くならないこと、下山時刻を厳守することが大切です。
・お土産を欠かさない
→お酒が好きな奥様なら地酒。料理が好きな奥様なら、地元の道の駅や下山口の無人販売で売っている、その地方特産の野菜など喜ばれると思います。野菜は都市部で買うより安い事も多いです。
自分のわがままを聞いて、山に行かせてくれた感謝の気持ちをお土産に込めて。
かなり私の主観が入ったアドバイスになってしまいましたが、どれか一つでも参考になれば幸いです。
逆に考えると、山に行き過ぎる事をよく思われないのは、登山野郎さんが奥様に愛されている証拠だと思います。私の周りにいる人生の大先輩の奥様方の中には、「旦那が一人で山に行ってくれると助かるわ」と笑いながら話してくれる方も少なくありません。
また上に書いた三大北壁ですが、今の時代ですとそのうち「親の介護」も入ってきます。
人生長いようで、望むままに山に行ける時間は意外と少ないものです。
是非、末永く奥様との良好な関係を築き、充実した登山を続けて下さい!
丁寧な回答ありがとうございました!
心配をさせないよう丁寧にプレゼンするというのは良いですね!次から実践してみます〜