山岳ガイドへの相談
夏から秋で白馬岳に行きたいと思っています。
大雪渓にはアイゼン10-12本爪を考えてますが間違いないでしょうか?
ネット情報を見ていると、軽アイゼンで行ったなど、大雪渓の急傾斜に対してスペックが足りて無いんじゃないかと疑問を持っています。とはいえ、相談できるパートナーがおらず、こちらで相談させて頂きました。
7月の海の日連休以降の夏山シーズンから雪が降る前の10月前半頃までの白馬大雪渓ということですと、私でしたら4本爪の軽アイゼンを携帯します。
ただ、個人的に登る場合は軽アイゼンを持っていても、使わないで登ることもあります。
ガイドする際は、他の方をフォローするためにも、必ず軽アイゼンを着用します。
夏の雪渓歩きは雪上歩行に慣れている人にとっては、アイゼンを装着しなくても問題なく歩くことが出来ます。
ネットに掲載されている情報はおそらくそういう方の情報なのかなと思います。
ただ、雪上歩行に慣れていない方は、必ず何らかの滑り止めを使用した方がいいと思います。
大雪渓を登りで使うだけなら、スリップして足を滑らせることはほとんどないので、軽アイゼン(4本 or 6本爪)で構いません。
次に大雪渓を下る場合ですが、傾斜があると言っても気温の上昇で雪が緩んでいるので、下りでスリップしても雪山のように滑落する危険性はほとんどありません。
ただ、雪面の下りに慣れていないと恐怖心が出て、歩きづらくなる可能性があります。
そんな方は10-12本爪のアイゼンを使っても構わないと思います。
(使用する靴にアイゼンが装着可能かどうかの問題もあります)
ただし、10-12本などの前爪のあるアイゼンは爪を引っ掛けて転倒するリスクもあります。
アイゼン歩行の経験に慣れていない方は前爪のないアイゼンを使用するのが安全です。
不安がある方は6本爪、無い方は4本爪がいいと個人的には考えています。
雪渓が途中で途切れる場合など、外したり付けたりをするのも軽アイゼン(4本 or 6本爪)の方が10-12本アイゼンよりスムーズに出来ます。
また、その年によって積雪量が異なり、お盆を過ぎて秋になっていくと雪の量が減り、雪上を歩く距離が短くなります。
「わずか30分ほど装着するだけ」という可能性もありますので、爪の数が多い(=重たい)アイゼンを持参するかどうか、雪の量や個人の技量を踏まえて総合的に判断してもらえればと思います。