山岳ガイドへの相談
仕事上、一ヶ月前から半月前より休みを調整する必要があるのですが
なかなか良い天気に恵まれない事が多いです。予定の半分以上はてんくらでCになる事が多いです。何かコツはありますか?
悪天候を上手く回避して登山をするには、天気に合わせてプランを柔軟に変更したり、登るルート自体を変更するのがオススメです。
●プラン変更が柔軟に出来るように登山をする
風が強まり始め、稜線から雲がかかりはじめて、しだいに山域全体に雲が広がっていくような場合、風が完全に強まる前に樹林帯の中まで下山していれば登山自体にさほど影響がなかったりします。
ポイントは雨が降り出すタイミングをどこまで正確に把握できるか、です。
最近は山の中でも電波が入る場所が多いですので、雨雲レーダーなど最新情報をチェックし、雨の降り始めのタイミングを随時確認することが出来ます。
夏は晴れていても、夕立ちや雷雨があることがありますので、常時チェックする天気サイトを決めておくと便利です。
予想よりも天候悪化が早まりそうであれば、ルートを短縮して下山したり、山頂まで登らずに引き返してくることもできます。
また、天気予報サイトの風速や雨量の予報は、あくまでもコンピュータが計算した数値で、実際に同じ状況になるとは限りません。
山を歩きながら空や風の動きの変化を見る(観天望気と言います)ことと、天気図や雨雲レーダーの状況を並行して確認することで天候を予測する能力が磨かれます。
ルートを短縮して早めに下山してその分温泉にゆっくり入るつもりでもいいので、天候が悪くなりかけている状況を実際に身を持って体験することも重要だと思います。
●登るルート自体を変更する
風が強い程度で、にわか雨が降るレベルであれば、稜線を歩くルートではなく、樹林帯を歩くルートに変更するだけで問題なく登山が出来る場合もあります。
天気が悪くなると言っても、色々なシチュエーションがあります。
台風や低気圧による悪天候は広範囲に雨になりますが、梅雨前線や秋雨前線によって雨は比較的範囲が限定されます。
例えば、太平洋側に前線がある場合は北へ、日本海側に前線がある時は南に、前線から遠ざかることで悪天候を避けることが出来る可能性があります。
そのため、登山直前(前日や当日の朝)に天気を確認して、全く違うエリアの山に行き先を変更できるように、日頃から登りたいルートを広範囲にリストアップしておくといいでしょう。
複数の登りたい山のルート情報やアクセス情報を事前にある程度把握出来ていれば、慌てることなく計画変更が出来ます。
また、小雨程度であれば雨の中を歩くのも意外と楽しいものです。
苔が綺麗な森を散策するなど、雨の日用のプランを事前に用意しておくのもいいかもしれません。
天候判断が上手く出来るようになること。
計画を柔軟に変更できるように準備しておくこと(登山計画書にエスケープルートや変更案を記載するなど)
この二つがポイントになると思います。