山岳ガイドへの相談
冬季登山(本格的な雪山以外)で「軽アイゼンで大丈夫です」とか「チェーンスパイクぐらいで問題なかった」等の投稿を見かけますが、装備を揃える場合は両方必要ですか?
もし一方を買う場合はどちらの方がよいのでしょうか?
ご質問にあるように冬季登山ということで回答させていただきます。歩くコースが山麓部の平坦な地形でかつ多くの登山者が利用してトレースがある場合はチェーンスパイクでもスリップせずに歩くことができる場合もあります。ただし、このようなエリアであっても路面が固く凍結した場合はクランポン(12ポイント)が必要です。冬季登山であればそれほどの平坦地が続くことのほうが稀です。そうすると、言うまでもないことかもしれませんが、積雪期登山でまず揃えるべきものはクランポン(12ポイント)です。チェーンスパイクはアプローチにおいて「あれば便利」なアイテムです。またポイントの少ないタイプ(6ポイントなどの軽アイゼンと呼ばれているもの)はつま先と踵にポイント(爪)がないことと、もっとも荷重がかかりにくい土踏まずにポイントが集中していることから全くの平坦地であれば多少の役には立つかもしれませんが、登りや下りではあまり有効とは言えません。
チェーンスパイクは登山中というよりは、アプローチ時に有効というのは分かりました。
さらに質問ですが自分が住んでる近郊で奥多摩・秩父・丹沢があります。
このエリアの山々は冬季に「アイゼンを携帯するように」と注意書きをみますが、この場合は6本爪でも大丈夫なんでしょうか?それとも積雪量に応じて12本爪を用意した方が良いのでしょうか?
低山であっても、積雪量と凍結状態によっては12ポイントとまでは言わなくても、つま先と踵にポイントのある10ポイントがあればスリップのリスクを低減できると思います。
笹倉ガイド様
10本爪以上はもっと高山の雪山でのみ使用するものと思っていました。
勉強になりました。
長々とした質問に対して、丁寧な回答をありがとうございました。
また質問させていただきます。