山岳ガイドへの相談
登山の概念図の書き方がいまいちわかりません。
手書きで書く方法とパソコンを使って書く方法を教えてください。
また、皆さんがどのようにして概念図を書いているのかも教えてください。
よろしくお願い致します!
まさとさん、初めまして。
概念図ですが、書き方について厳密に定められた共通ルール、書式はありません。
各山岳団体などがそれぞれ独自の書式で作っているのが現状です。
ただ、大体以下のような点は共通しているようです。
・目的のルートとその周辺の山域について、全体的なイメージを掴む事が目的となる。
・記載するのは尾根(太い黒線)、沢(細い線、カラーなら水色)、顕著な人工物(山小屋、林道など)、重要な地名(山頂、分岐点、登山口、バス停など)、予定ルート、エスケープルートなど
以下のURLは群馬県警のwebsiteですが、登山届様式の中に、谷川連峰地図が記載されています。
https://www.police.pref.gunma.jp/seianbu/02tiiki/tozan-todoke_no.2.html
この地図は、一般的な概念図に近いと思います。
書き方についてですが、手書きの場合、地形を正確に書く場合は地形図の上にトレーシングペーパーを重ねて尾根と沢の形状を写し取り、そこにガイドブックなどから得た情報を書き加えて作る方法があります。
パソコンの場合ですが、割と手軽に作れる方法はエクセルを使った方法です。
以下に簡単に手順を記します。
1.国土地理院の地形図閲覧サービスで該当山域の地形図を表示させる。
2.画面キャプチャーツールなどを使って地形図を画像として保存する。
3.エクセルに2の画像を貼り付ける
4.エクセルの図形描画機能を使って、3で貼り付けた画像の上に尾根や沢をトレースする
5.エクセルのテキストボックス機能などを使って、地名などを追加する
6.最後に3で貼り付けた画像を削除する
画面キャプチャやエクセルの操作については、それぞれ専門のサイトがたくさんありますので、そちらを参照してください。
もっと凝ったものを作る場合はIllustratorなどのデザインソフトを使うことになりますが、
基本的に背景となる地図画像を用意して、その上にトレースしていくという工程は変わりません。
参考までに、私が大昔に作った概念図を添付しておきます。
1つ目の小草平の沢はエクセルで作成、2つ目の巻機山と3つ目の丹沢はIllustratorで作成したものです。
ご質問への回答からは逸れますが、山岳部などでは新人に繰り返し概念図を書かせ、最終的には地図を見ないでも書けるようになるまで練習させることがあります。
その山域の概要を頭に叩き込む事が本番の登山でのスムーズな状況把握に繋がり、ひいては安全な登山に繋がるという理由です。
まさとさんも是非、概念図作りを通じて安全な登山を心がけてみて下さい!
ご丁寧な説明ありがとうございます!エクセルでの概念図作りに挑戦してみようと思います。