山岳ガイドへの相談
スマホの普及とともに山でもGPSを使う人が増えてきました。しかしGPSは地上に届く電波が比較的弱く、スプーフィングなどによって容易く位置を書き換えられてしまうという恐れもあります。
周囲の地形を確認しながらGPSを使えば誤情報も気づくと思いますが、雪や霧などで地形を確認できないのでGPSを頼らざるを得ないというケースも考えられます。
そこでありとあらゆる山での驚異を思慮する登山家の人に質問です。周囲の地形の確認に頼らずに悪意ある人からのスプーフィングを阻止する方法、またはそれに気づく方法を教えて下さい。
ご質問の内容から推察するに、GPSについてかなり熟知されている方とお見受け致します。
サイバー攻撃全般に言える事ですが、完全に阻止する事は難しいです。攻撃に気づく方法としては、山頂、山小屋、登山口、駅などの現在地に確信が持てる場所で端末の位置情報と照らし合わせる事で、ある程度は可能かと思いますが、ご指摘の通り、周囲に目標物が無い、見えない状況ではどうしようもありません。
ご質問への解答としてはそぐわないかも知れませんが、山での驚異を思慮するという意味では、GPSのような脆弱性があるシステムをメインで使う事はオススメ出来ません。
それでもという事でしたら、常に代替え手段(地図とコンパス)を用意しておく事が最大の対策と言えるでしょう。
地図とコンパスのナビゲーション技術に熟達すれば、ホワイトアウトの中でもある程度は行動出来ます。
GPSの話からは逸れますが、私は仕事で山に入るときは通信障害に備えてスマートフォンとガラケーの２台持ち(それぞれ別の通信会社)に加え、テレフォンカードも携行しています。
リスクをゼロにしようとするのではなく、リスクを分散させ、バックアップを用意し、リスクを許容範囲内に抑える事が大切かと思います。
ご参考までに。