山岳ガイドへの相談
森林限界を越えた場所で雷が鳴り始めた場合、どのような行動を取るのが正しい処置でしょうか?登山計画の時点で避難できる場所を確認し、天気や雲の様子を確認しながら山に登ることは意識していますが、山の天気の変化スピードは非常に早いので、もしもの時のために知識を念頭に置いておきたいです。よろしくお願いいたします。
山の雷は恐いですよね。地震、雷、火事、大山風と世の中で恐ろしいものを並べた表現にも2番手に出てきます。
どのような行動をとるのが正しい処置かとの質問ですが、ズバリいってしまうと正解はありません。
登山は自然の中で行いますので曝されるハザード、人の行動など、色々な要因が関係します。
その時々で、考えられる最良の方法を探すのがベストであり、よりベターな方法を探す事です。
判断を下すリーダーであれば何をゴール地点に考えるかで行動は変わります。
その為には自分達が置かれている環境や力量を考えて判断をくだします。
場合によっては行動を続ける事もあるかもしれませんし、すぐに即下山という判断もあるかもしれません。
その時々における最適解を考えてください。
●雷に遭遇しない為に
事前に気象情報を確認する。発生しそうな日や時間帯を避ける事が第一です。
夏季は早朝発、お昼頃までの早めの行動終了を心がける。
雷を発生させるのは積乱雲。『寒冷前線』『上空に寒気』『大気が不安定』などのキーワードに注意。
●雷から身を守る対応
頂上や稜線に立っている状態は危険。少しでも低い場所へ。
トレッキングポールなど鋭利な物はバックパックから外す。
⇨これはあくまでも緊急時の話。遭遇しない事が一番です。
近くに山小屋などあったらそこへ避難する。軒先は安全ではない。
大きな木の場合は先端から45度、4m以上と言われています。
しかし、山の中はいつどこで落ちるかわからず、確実に安全な場所はありません。
いかに早く察知し、早く行動するかが大切です。
遭遇した際、どのように対応すればよいか色々な選択肢を知っておくのは大切ですが雷は自然現象です。
雷から身を守るには遭遇しないという事が一番大切です。
自然現象に対しての明確な答えはないですよね。的確な判断を心がけてこれからも山へ向かおうと思います。ご回答ありがとうございました。