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山岳ガイドへの相談

解決済み

アイゼンのバンド式とワンタッチ式の違い

相談者 Hokuto Japa S さん

3年前に冬季登山のためにバンド式のアイゼン12本歯を購入しました。
靴がスポルティバの冬靴なのですが、友人にその靴を使うのであればワンタッチ式の方がいいよと言われました。
なぜ良いのかは分からずでして、違いはあるのでしょうか?

クランポン(アイゼン)は登山靴への取り付け方式で、大きく以下の3つに分類されます。
また取り付け方式は靴との一体感を左右し、一体感が優れているほど歩きやすく、よりシビアな状況に対応しやすくなると言えます。

以下に3つの方式それぞれの特徴を解説致します。

1.ストラップオン方式
Hokutoさんの言う所のバンド式はこれにあたると思われます。
かかとにコバが無い靴、比較的ソールが柔らかい登山靴にも取り付け可能。
登山靴との一体感は3つの方式の中では一番劣る。

2.ハイブリッド方式
かかとはクリップで固定、つま先は樹脂製のハーネスで固定する方式。
お店などではよく「セミワンタッチ式」と呼ばれる。
かかとにコバがある登山靴に装着可能。
ストラップオン方式より登山靴との一体感に優れる。

3.クリップオン方式
かかとをクリップで、つま先をトゥーベイルというU字状の金具で固定する方式。
お店などではよく「ワンタッチ式」と呼ばれる。
かかと、つま先両方にコバがある登山靴に装着する。
登山靴との一体感は一番優れている。
従って、前爪のみで岩場に立ち込んだりするような登山には最適。


ご質問の件ですが、ご友人は、せっかく冬靴を持っているならば、靴との一体感が一番良いクリップオン方式(ワンタッチ式)を使うのが(登りやすくて)いいよ、と言いたかったのではないでしょうか。

尚、クランポンはメーカーによって横幅など微妙に形状が異なるため、お使いのブーツとの相性があります。
購入の際は、信頼できる販売店に自分の靴を持参し、よく相談しながら購入されると良いでしょう。

また各方式についてはメーカーによって名称が異なります。
いわゆる「ワンタッチ」「セミワンタッチ」といった名称は一般的ですが、実際は昔の製品に比べれば遥かに装着が容易になっているとは言え、ワンタッチで装着できる訳ではありません。
誤解を招きかねないので、ここではカッコ付きで表記させていただきました。

解決 相談者 Hokuto Japa S さん

高橋摂ガイド、とても詳しいアドバイスありがとうございました。
感激しています。

早速、冬靴と夏靴を見比べて見ましたところ、
私の持ってるスポルティバの冬靴は前コバと後ろコバもついてました!
夏靴には、コバが前後両方ともなく、コバというものを今更ながら注意して見ました。

行く山のレベルに合わせて、
登山靴やアイゼンも合わせて選ぶ必要があるんだなと初めて知りました。
アイゼンと登山靴の相性、
登山靴によっては、一体感をさらに高められるアイゼンがある、
私の登山靴の場合ストラップオン方式よりクリップオン方式の方が一体感を生み出せること、凄く勉強になりました。

ストラップオン方式で使っていたのですが、外れるようなことはありませんでしたが、一体感に不安があるのでクリップオン方式のものを店舗に見に行こうと思います。

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