山岳ガイドへの相談
こんにちは。
子供の登山靴を今年は新調したいのですが選ぶポイントはどんなことでしようか?
今までは、軽めでハイカットの柔らかいトレッキングシューズでした。
現在21センチです。
※9歳の男児 北アルプス縦走、立山縦走経験あり
羽深 奈々子 さん、初めまして。
靴のサイズ21-22センチですと、ちょうど大人の足のサイズに近付いてきている時期ですね。
25センチになる頃までが子ども用靴から大人用靴に選択肢が移っていく過渡期になります。
靴ブランドによってサイズのラインナップが異なりますが、21.5や22.0cmになると大人の女性用の靴を選ぶことも可能になってきます。
●選ぶポイント
選ぶポイントは大人も子どももあまり変わりません。
1 日帰りトレッキング用なのか?アルプスの岩場も想定した小屋泊登山用なのか?用途に合っている靴を複数のブランドの中から数点選ぶ
2 その中で最もご本人の足型に合っているモデルを試着して選び出す
3 履いてみて、当たって痛くなるようなキツさや、歩いてブカブカする緩さのない適正なサイズを選ぶ
1の用途にあった靴を選ぶ際ですが、同じ足のサイズでも、大人と子どもでは体重が全く異なります。
子どもの方が体重が軽いため、大人と同じ基準で堅牢な靴を選択する必要性はありません。
これまでの登山で捻挫や膝痛などのトラブルが起こっていなければ、今まで履いてきた靴と同等の剛性(布地と靴底)の靴を選択して問題ありません。
2の足型に合っているかどうかの判断ですが、親御さんやお子さん本人にも判断が付かない可能性もあるので、やはり登山用品店の靴に詳しい店員さんにアドバイスを求めるのがいいでしょう。
また、選択に迷った際は、お子さん自身の履きやすいと感じる方、靴紐などの調整をお子さん自身がやりやすい方を選ぶといいと思います。
3のサイズ選びですが、なるべく長く履けることを考えて大きすぎるサイズを選ぶと、躓いたり転倒したりする原因になりかねません。
実際の足のサイズに対して1cm程度のゆとり(「捨て寸」と言います)が適正です。
靴の中敷きを取り出して、足を中敷きの上に踵を揃えて乗せて、指先に1cm程度の捨て寸があることを目で見て確認するのが分かりやすいです。
●子ども靴の特徴
子どもは成長に合わせて靴を買い替えるので、安価なモデルが多いです。
靴のソール(靴底)のグリップ力、剛性、防水性は全般的に大人用のものに劣っています。
その反面、運動靴に近い履き心地で、柔らかいために履き慣れしやすくなっています。
大人と比較すると体重が軽く、活発な動きをするお子さんには、軽くて軟らかい方が向いているとも言えます。
以前までは子ども用の登山靴は22センチ程度までしか販売されていませんでした。
しかし、近年は需要の高まりに合わせて、25センチ程度まで販売されています。
そのため、頻繁に買い替えることなどを考えると何か具体的な理由がない限り、出来る限り、子ども用の靴の中で選ぶのがオススメです。
●大人靴の特徴
当然ながら、大人用の靴の方が販売されているブランド・モデルの数が多いです。
トレッキングシューズ(軽登山向け)から革製の登山靴、ローカット、ミドルカット、ハイカット、メッシュの通気性のいい靴、防水性の高い靴など種類が豊富です。
そのため、子ども靴では足型に合ったものが見つからない場合や、子ども靴にはない高性能な靴を求める場合は、大人用の靴を選択肢に入れることになります。
●子どもが大人用の靴を選ぶ場合の注意点
同じ足サイズでも、大人と子どもでは体重も違えば足幅も異なります。
子どもの方が足型が細く、甲が低い傾向があります。
そのため、大人の女性用の靴で適正なサイズを選んで履いても、足型が合わず、分厚い靴下を履いても緩い場合があります。
緩かった場合は、なるべく足型の細い、甲が低いモデルを探して試着してみて下さい。
また、登山靴よりもトレイルランニング用の靴の方がフィット感が高い構造になっていますので、トレイルランニングシューズの中で探すのもいいかもしれません。
大人も子どもも、靴選びに失敗すると大きな負担になってしまいます。
いい靴との出会いがあるといいですね。
早々の回答ありがとうございます。
サイズ的にはレディースなのかなぁと悩んでいたので、的確なアドバイス本当に感謝です。
確かに体重軽いので、重い山履になってしまうのが、気になっておりました。
探せば子供用のサイズを出しているショップもあるので、質問しながら購入したいと思います。
夏の縦走を前に足慣らししなくては!ですね。
今から夏休みが楽しみです。
また悩んだ時は相談させて頂きたいと思います。