山岳ガイドへの相談
10年振りにまた登山を始めたほぼ初心者に逆戻りの者です。
つい先月、小秀山からの下山中にどんどん両股関節が痛くなり足を上げることが辛く、とても大変な思いをして下山しました。
よく、登山相談で膝の痛みなどは見ますが股関節の痛みの記述はあまりなく、自分は何でこんなに痛みが強いのかなぁと心配です。この時はポールで支え、なんとか降りてきました。
日頃のストレッチや運動不足ももちろんあるので、頑張らねばと思っています。
下山の仕方など、コツをご教示いただけると嬉しいです。
登山の疲労をイメージした時、下りの事だと思い浮かべる人は少ないですが思っている程、楽な運動ではありません。下りの着地衝撃は登りの2倍でつまり体重の2倍の負担です。イメージとして、登りは歩く程度の負担、下りはジョギングに匹敵するといえます。ジョギングは膝や腰など関節部にも負担がかかる運動ですので、運動不足や筋力不足を自覚している人がいきなり行う事はしない運動です。登山は歩くからそんなに激しい運動ではないと思われるかもしれませんが、下りはこのジョギングと同じストレスの大きな運動を数時間もの間行うのです。また下りは技術的にも難しく筋細胞の損傷が起こります。
それに、一般的ルートの小秀山の登山口と山頂との標高差は1000m以上。1日の歩行時間も8時間を超えるでしょう。
急登な上、岩がゴロゴロした場所あり登りでは足上げが要求され股関節周りの腸腰筋を使います。10年ぶりにいきなり登山ではないと思いますが、筋力が低下している状態でこの内容の登山を行えば故障が出てしまうでしょう。下山の仕方もあるかもしれませんが股関節を痛めてしまったのはそれだけではないと思います。※局所的な質問に対しての返答でなくてすみません。
歩行技術は「膝を柔らかく使い着地衝撃を吸収する、ゆっくり歩く、歩幅を狭くして歩く」衝撃力を小さくして歩く事が大切です。かの有名な上条嘉門次は「山はネコのように歩け、石一つ落とすな」と言ったそうです。着地衝撃を和らげる為に荷物を軽くする、自分の体重を軽くするなども大切です。登山頻度ど歩行技術や筋力トレーングで随分負担が軽減されると思いますよ。がんばってみてください。
※以前、膝痛に関して回答させていただいたQ&A内容を一部引用して回答しています。
旭ガイド様
とても詳しく回答をくださって本当にありがとうございます!
下りがジョギングに匹敵する程、大変ということに驚きました。
教えていただいたアドバイスを心掛けながら、頑張っていきたいと思います!
ありがとうございました。