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山岳ガイドへの相談

解決済み

下山時の恐怖心について

相談者 ひよこ さん 女性

登山歴5年(回数は少ない)です。富士山には3回登頂しましたが、体力や技術がないことは自覚しているので、普段は雲取山、那須岳など2,000m以下の山、日帰りばかりです。いつかはアルプスに登ってみたいという夢はありましたが、私より歴が浅い登山仲間から、「お前は登山に向いていない」と言われました。筑波山のような標高の低い山でも、転倒や滑落の恐怖を取り払うことができず、下山のスピードが遅いからです。高所恐怖症ではないのですが、スキーやスノーボードも同様の恐怖感があり、できません。下山時は後ろから来る人にどんどん追い抜いてもらうのですが、私を待っている仲間はイライラするようです。以来、山から遠のいていますが、このまま止めるべきでしょうか。克服する方法などはあるのでしょうか・・・。

下山が苦手な方の特徴として、以下の3つが挙げられます

(1)膝痛などの痛みトラブルが出る
(2)上手く下れない(バランスを崩したり、転びやすい)
(3)下り斜面が怖い

この3要素のどれかだけを抱えている方もいれば、全てを抱えている方もいます。
(1)(2)は経験と技術の積み重ねで克服できますが、どうしても(3)については精神的な要素であり、恐怖心を意識的に振り払うのが難しく、克服するのにハードルが高く、時間がかかります。

一見すると(3)があることで、(1)(2)が克服しづらいように思えるかもしれませんが、実は逆です。
(1)(2)を確実に克服すれば、(3)は自然と消えていきます。

では恐怖心が強い方は具体的にどうすればいいのでしょうか?

私がアドバイスしているのは、ご自身が現在怖いと感じている状況を「怖くない」に変えるために、足りない(必要な)歩行技術がどこにあるのか、具体的に認識しましょうということです。
(だいたいの場合は姿勢が悪いとか、体が硬いとか、歩き癖に問題があることが多いです)

上手く下れる技術が身に着けば恐怖心は少しずつ薄らいでいきます。
ただ、自分の歩きに何が足りないのか、正確に理解できていなければ、何から取り組めばいいのか分からないままです。

ですから、歩き方のどこに問題があるか、具体的に歩き方を指導してくれる人(ガイド)と一緒に歩いてアドバイスをもらいましょう。

イライラする方と一緒に歩いていると、焦ってしまい、下りを歩くことに集中できず、いつまで経っても上達することが出来ません。
個人山行の際は、下りがゆるやかなルートや、下り標高差が少ないルートなど、ご自身のレベルにあったルートを選び、必要なところでフォローしてくれ、ひよこさんのペースに合わせて歩いてくれる仲間と歩くといいでしょう。

「下りが苦手な方、ゆっくりな方いませんか?」と仲間を探してもいいですし、山の歩き方講習などに参加すれば、同じような悩みを抱えている人と出会うことが出来ると思います。

周りの山仲間よりも、上達に時間がかかるかもしれませんが、焦らずに、要点を確認して一つずつ克服して行けば確実に上達できますよ。
諦めずに、「アルプスに登ってみたい」という夢、是非かなえてくださいね。

解決 相談者 ひよこ さん 女性

漠然としたメンタル面の相談にも丁寧にご回答いただきありがとうございます。
(3)があることで(1)(2)が克服できないと思っていたので、実は逆だったということに驚きました。
また、ガイドさんと歩くことや講習会は考えたことがなかったので、参加してみたいと思います。
大抵の方がリズミカルに下っていくので、怖がっている私はやっぱり向いていないのかと思っていましたが、野中ガイドもマイペースに山歩きを初めてガイドになられたということですので、私も少しずつ頑張っていきます。
今回はありがとうございました。
またお世話になるかもしれませんので、今後ともよろしくお願い致します。

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