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山岳ガイドへの相談

解決済み

登山中の飲酒の注意点

相談者 May Rojo さん

日帰り時は、山で飲酒はしないようにしています。
小屋泊、テント宿泊の時は自分へのご褒美にアルコールを摂取することがありました。

運動量に対して食事はあまり摂らず、
アルコールのみを飲んでいたところ、翌朝立ち上がれなかったことがあったのですが(酔っ払ったわけではない)、高度での飲酒はなにか違うんでしょうか?

栄養面が足りなかったのかななど、水を併せて飲んだ方が良かったのかななど。
悶々としております。

May Rojo さん
今晩は。

先ず、「高所での飲酒が及ぼす影響について」ですが、
良く言われる「高地では酸素が少ないため酔いがまわりやすい」は、
実際はそうではありません。

 高所に居る事で、血中アルコール濃度が通常以上に上昇するということはありません。
それなのに、ひどく酔ったように感じるのは、
・アルコール摂取による「高山病による酔い」
・「アルコールからくる酔い」が、ひどいめまいを引き起こすからです。

高山病とは、
高地の環境の特徴から引き起こされるものです。
1)低酸素・・・気圧が下がるため酸素が少ない。
2)低温・・・気温が下がる。
3)脱水・・・高山は乾燥し易い環境である。
4)低血糖・・・エネルギーを消費するため血液中の糖分が少なくなる。

頭痛、食欲不振、めまい、胸やけ、吐き気、嘔吐などの症状があります。
これは深酒した時の二日酔いの症状と全く同じです。

高所での飲酒で気を付けたいのは、
・アルコール(ビール等)による利尿作用
・運動による発汗後
・高所という乾燥した環境下、です。

全てに共通しているのは、「脱水」です。
高地では十分な水分補給を行い、体を潤わせることが何より大事です。

また、高山環境下では持病の心疾患を持つ方も要注意です。
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)等の方です。
低酸素環境下では、心拍数が上昇して心臓の筋肉を養っている動脈の血流が低下するため、
発作を引き起こしやすいのです。
高血圧や不整脈などの治療薬β―ブロッカーという薬を服用している人は、心拍数があまり上がらないため、
高山病になりやすいとも言われています。

解決 相談者 May Rojo さん

こんなにも丁寧にありがとうございます。
質問内容だけでなく、高山病や心疾患など多岐に渡り回答、非常に勉強になりました。アルコール摂取し就寝前になんどもトイレにいっていたので脱水もあったかと思います。
高所でアルコール摂取は醍醐味ではありますが、注意踏まえていきます。

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